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物流拠点の計画のポイント

皆さまこんにちは。谷口運送の小林です。前回は「物流拠点特集」として物流拠点戦略の定義とメリットについて述べましたが、今回は物流拠点を構える際の計画のポイント、リスクについて述べたいと思います。

①機能設定

先ずは物流拠点を計画するにあたり、どの様な機能設定をするかを考えます。
それは自社の物流戦略や顧客(これはBtoBでもBtoCでも)の持つ様々な要素によって、拠点の機能(優先)設定が決まります。
BtoBであれば物流拠点を活用していただける顧客の立地・環境やエリア、顧客の貨物の特性(例:食品や日用品だったり、工業製品etc.
)、または自社のインフラの活用・応用の可否や、付加価値を創出可能か否かなどを考慮して、物流拠点にどのような機能を設定するかを考えます。BtoCであれば最終配達先のエリアや貨物特性が拠点機能設定の鍵になります。

例えば谷口運送の場合は工場(顧客)の門前のSP(ストックポイント)とPC(プロセスセンター=流通加工)の機能を最も重要視して、工場ラインまでのJIT(ジャストインタイム)のRDC(地域物流拠点)設定としました。工場門前ということで、工場までの輸送距離を極端に短く出来たことは輸送頻度の上昇と確実なJITの実現というメリットを得ることができます。
つまり計画に於いては「立地」を最優先し、そこで得られるメリット(距離と時間)に付加価値(流通加工)を考慮した訳です。

②メリット(コスト分析)

機能設定が完了したら、想定しうるメリットと一方でコストを考慮します。
何故なら、コストはデメリットの要素になりますから、設定した機能によって得られるメリット(利益)をコストというデメリットが吸収してしまったら、拠点を構える意味が無いからです。

例えば、BtoCの物流拠点を考えた場合、最終顧客のエリアをカバーする拠点設置が優先事項となります。適切な拠点数を設置すればメリットになりますが、逆に設定を誤るとデメリットとなってしまいます。
なぜなら、拠点を沢山構えればそれだけ配送距離と時間が短くなるので、きめ細かい輸送品質を維持できますが、拠点を構える為のイニシャルコスト(用地コストや建設費その他)、それに伴う作業費(人件費)は当然高くなりデメリットとなってしまうわけです。

③リスク

拠点に設定する機能から得られるメリットと、コスト等のデメリットは例えればシーソーのようなもので、両者のバランスを良く考えながら拠点計画を立案することがポイントです。
この様に計画・立案は非常に重要で難しい訳ですが、特定の顧客の貨物特性やエリアワイズに拘った拠点設定は、ひとたび顧客との契約関係が終了すると、他の顧客獲得に於いて拠点機能の応用が困難になり、機能設定が破綻してしまうというリスクが発生します。

嘗ては、特定顧客に特化した物流拠点(物流センター)を設置する物流企業が多く見受けられましたが、前述のようなリスクが発生し、その後の応用が利かずに売却や、機能不全のまま他顧客に賃貸せざるを得ないケースも多々あるのです。

次回は近年の物流拠点の特徴について述べたいと思います。

【筆者紹介】

 

 

 

【小林 淳】

夏休みが直前に迫ってきました。特に予定有りません(笑) 毎年意識して予定を入れないのです。何故かというと、夏の休みを利用して体力づくりに充てる為でして、規則正しい一日を送り、毎日ランニングとトレーニングでたっぷり汗をかき、大体2Kg 位体重を落とします。 こうすると休みボケもなく、スムーズに会社に復帰できることが出来ます。重度の猫依存症の僕には、休み中に溺愛している黒猫にたっぷり構ってあげられるのも、休み中の癒しになります。

 

 

 

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